霊界秘宝館に忍び込んだ蔵馬、そしてそこで貴方は蔵馬に出会う。その出会いは敵として・・・、
:誰?!
??? :・・・誰だといって、おとなしく名乗るバカがどこにいる。
:・・何をしている、の・・・。
??? :・・・本当にそんなことが聞きたいのか?霊界の秘宝、を奪いに来た。
いや、正確には違うか・・・。もう、奪って、それはいま、俺の手の中だ。
:・・・妖狐・・、蔵馬・・・。
蔵馬 : おや、どうやら、俺はそれなりに有名らしい。
お前、霊界の女だな。見たところ、警備兵でも何でもない、
単なる霊界人といったところか。
: だから何だと言うの・・・・。
蔵馬 : いいや、別に意味はないがな。
さて、お前どうする?
:・・・?
蔵馬 : 俺を逃がすか?それとも俺に殺されるか・・・?俺は別にどちらでもかまわん。
: ・・・。
蔵馬 : いい加減、血を見るにも飽きてきた、
だから、今さらお前の血を見ても見なくても俺にはあまり違いはない。
: わかった・・・、貴方を逃がす・・・。
蔵馬 : ああ、お前なかなか賢い、その選択はこの場合正しい。
: ・・・でも。
蔵馬 : ・・・?何だ?
: ・・・でも、1つだけ教えて。その盗んだモノをどうする、の・・・
蔵馬 : ああこれか?別にどうもしない。俺はたいがいヒマらしい。
この霊界秘宝館の警備は万全と聞いた。だから、暇つぶしに、盗みに入ったまでだ。
・・・だが、どうもつまらん。こうやすやすと盗みに入っては・・・。
興ざめを通りこして笑うしかないだろう?
べつに、この宝が欲しかったわけじゃない、
ただ、盗みに入って何も持ち帰らないのは、
どうも俺の趣味に合わないからな。適当に見繕ってみただけだが?
: ・・・それは、霊界の、いいえ、魔界、人間界の地図。
蔵馬 : ああそうだろうな。
: その地図には、磁場の穴が記されいるから・・・。
それが流出するのを私は、避けたい・・・。
蔵馬 : 磁場の穴・・・?ああ、どの場所へも行き来する事の出来る、道のことだな。
: そう・・です、・・・それには霊界の中心にも通じる穴が・・・。
だから、ま、魔物の手に渡すわけにはいかない。
・・・貴方が、どの宝でもいいというのなら、他のモノをあげます。
金目のモノや、貴方が好みそうな、呪術めいたモノでもいい、
だから、それは置いて・・・。
蔵馬 : お前、俺は、宝には興味ないといっただろう。
俺は暇つぶしに、ここに盗みに入っただけだ。
: ・・・。
蔵馬 : ああ、そうだな、コレが欲しければ、俺を殺せばいい。
: ・・・私には、貴方に勝てるだけの力がない。
私が、ここで、貴方に立ち向かっても、傷1つつけることは・・・・できない。
蔵馬 : ・・・くくっ。賢いな、万事お前の言うとうりだ。
: っ・・・。
蔵馬 : どうした、声が震えているぞ。今頃、恐怖が来たか?
: ・・・。
蔵馬 : 俺相手に、こうも、俺に利益も不利益もない交渉をしてきたのは、
おそらくお前が初めてだ。
だがなまあいいだろう、お前のその勇気に免じて、
この地図は置いていってやってもいい。
それで、お前、何でも、持っていけと言ったな。
: ・・・、は、はい、霊界の秘宝でも何でも好きナモノを・・・。
蔵馬 : それで、お前は、どうなるんだ?みた所、この秘宝館の守人じゃないのか?
: ・・・。
蔵馬 : じゃあ、この宝をみすみす俺にくれてやると言うことは、
お前も盗賊に加担したと言う事になるな。
:・・・。
蔵馬 : くくっ、バカな女だ。
: ・・・。
蔵馬 : だが、悪いが、俺には関係ない事だ。そうだな、そこの宝石を頂くとする。
かなりの装飾だ、おそらく霊界の歴史上でも価値あるものだろう?
: あっ・・・。
蔵馬 : ・・・どうした顔色が悪いぞ、この宝石も、それ以上の価値ある品と言う事だな?
さあ、これで、交渉成立だ。そして、お前は、たとえ地図を俺から取り返すため
だと言っても、俺にこの秘宝を手渡した。
この罪はおそらく重い。流刑か・・・、いや追放・・・、烙印・・・・クラスだ。
これは死罪よりも見物だ。
: ・・・・・・・・・・・・・・。
: ・・・?!
蔵馬 : すこし、じっとしていろ、お前の首にかけるだけだ。
ああ、だが、じっとしていないと、うっかり殺してしまうかも知れないがな。
: ・・・。
蔵馬 : ああ、思った通りだ、お前の白い肌にこの宝玉はよく似合う。
: ・・・気が変わった・・・の、・・・で、ですか、・・・やはり地図を・・・
蔵馬 : 地図?ああ・・・。初めから興味はないと言っていただろう?
知らないのか?この宝石は、霊界の王が妻になる女に与える為の宝玉だ。
だから、俺が付けるより、女のお前の方がいいに決まっている。
だが、俺はお前との契約で、この宝石をいただいた。
お前が身につけるなら、お前ごと盗むのが一番いい。
: ・・!? 冗談を!
蔵馬 : 冗談か・・・?まあそれでもいい。
知っているか?烙印は背徳者の背に大きく刻まれる。
壮大な苦痛がつきまとうと言う。
俺は、別にそんなモノはどうでもいい。 お前が苦しもうが、どうでもいい。
だがな、どうせなら、綺麗な肌の方がいいに決まっている。
それに、
お前は、秘宝館の中にいた、そして好きナモノを持っていけとお前が言った、
だから、俺は、お前を奪う事にしたよ。
: ・・・私を助けて・・・?
蔵馬 : さあな、俺にもよく分からん。
だが、ここにある総ての宝よりもお前の方が価値あるモノに見えた、それだけだ。
ああ、それから・・・・、霊界から逃れても、
お前にも霊界の追っては来るだろう、
だから、
お前は俺の側にいるといい、1人ぐらい守ってやれる技量はあるさ。
さあ、ついて来るといい、魔界へ行くぞ。
じゃあ、さん助けるなら、地図も、宝石も置いて、行けばいいじゃん!蔵馬さん(叫)
とかそんな感じです。
でもね、きっと蔵馬さんはそんな事承知で、目的の為なら手段は選ばないですから
さん霊界から追われてもきっと手に入れたかったのでしょう・・・(うんうん)
なんだか、本当はもっと、王様的な妖狐さんが好きなんですが・・・。
2003/0502