ここは魔界、全滅した集落で貴女は、妖狐蔵馬と出会う・・・。


蔵馬 「ああ、もう1匹隠れていたか?そうだな、ヒマついでに、お前も殺そう。」
少女 「・・・。」
蔵馬 「命乞いはするか?」
少女 「・・・。」

蔵馬 「言葉も出ないか?まあいい、どうせ、俺からは逃げられんよ。」
少女 「・・・お前は・・・妖狐蔵馬か?あの蔵馬か?」
蔵馬 「ああ、そうだ。」

少女 「・・・、こいつ等を殺したのもお前か?」
蔵馬 「ああそうだ、そんな事を聞いてどうする。」

少女 「そうか、あの蔵馬に私は殺されるのか・・・、冥土の土産になった、さあ、私を殺せ。
             ・・・それとも、逃げ惑った方がお前は喜ぶか?」

蔵馬 「そうだな、逃げ惑う獲物を殺すのがいいが、俺が恐ろしくないのか?」


少女 「恐ろしい・・・?私の飼い主はお前を恐れていた。
           冷酷な美しい銀の獣の過ぎ去った跡に残るモノは死だけだと・・・」

蔵馬 「いや俺は、『恐ろしいか?』と、『お前』に聞いている。」
   
少女 「・・・?」


蔵馬 「・・・お前、名は何という?」
少女 「名前などない。」
蔵馬 「ああ、お前奴隷だな。その割りに、いい肉付きをしている。」

少女 「・・・食用に飼われていたからな。」

蔵馬 「ああ、食用か・・・。ならば、名などなくても仕方がない。」
少女 「・・・。」
蔵馬 「・・・そうだな。それじゃ俺がつけてやる。」

少女 「名など盗賊にもらう義理はない。」
蔵馬 「いらないのか?」
少女 「・・・。」


蔵馬 『

少女 「『』 ・・・?」
蔵馬 「そうだ、俺の種族の古い言葉で、光と言う意味だな。」


 「そうか、私の名前か・・・。」
蔵馬 「お前笑ったな。その方がいい。」

 「笑った?私は笑ったのか?」
蔵馬 「知らないのか? 。」
 「笑った事がかなったらな。そうか、笑っていたのか・・・。」

 「さて、もういい、私を殺せ。」
蔵馬 「何を言っている、俺はお前に名をやった、名はモノを拘束する力を持っている。
    『 』という名はもともと俺のモノ、だからその名を持つお前も俺のモノだ。」

 「勝手な言い分だな。そして・・・私を喰うのか?」

蔵馬 「誰が家畜に、名などやるか。俺を見ても、お前は俺を恐れなかった。
     お前は感情が欠落している、その空の中身が気に入った。」

蔵馬 「俺が教えてやるよ、この世の恐怖という恐怖を、お前のその中身に詰め込んでやる。
     お前が俺に恐れを抱くようにな。」

 「・・・それでも、私はお前を恐れなかったらどうするつもりだ?」

蔵馬 「その時は・・・俺の側にいればいい。」
 「一生か?」
蔵馬 「ああ、一生だ・・・。」
 「ふふっ・・・。伝説の大盗賊が、こんな小娘をか・・・?」

蔵馬 「ああ、どうやらそうらしい。」

蔵馬 「さて、ここには用はない、来い行くぞ、 。」
 「どこへ行く?」

蔵馬 「決まっている帰るんだ、俺たちの家にだ。
                      
                    何をしてる、早く来い。」

あやか様よりリクエスト(?)の妖狐さんとのお話です。
え〜と、実は妖狐の性格がいまいち把握していない私・・・。
ので、こんなの妖狐様じゃなーーい!!と思う方々、深くお詫び申し上げます。

もうすこし、甘い話が良かったかな?でも、これが私の精一杯(苦笑)


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